2018年6月15日金曜日

オリジナルのディスクリートオペアンプ

FDOA-01


Floatiaオリジナルのディスクリートオペアンプ、FDOA-01FDOA-02を発表します。
共にAPI2520と互換性のあるディスクリートオペアンプ(DOA)になります。

オリジナルのDOAのアイデアは2年近く前からありましたが、少なくともオリジナルの2520や、既存のDOAに対して何らかのアドバンテージがあるものでなければならないという考えがあり、十分なクオリティーのものになるまでは時間が掛かりました。それがやっと形になったのでこの度発表となりました。

まずFDOA-01ですが、こちらはJ-FET入力タイプのDOAになります。ローノイズかつFET特有の切れのあるクリアーで繊細なサウンドが特徴です。音の立ち上がりの早さ、明瞭さは他のDOAよりも格段に優れています。

FETは入力インピーダンスが高くセンシティブな信号の増幅に向いていますが、十分な増幅率を確保するのが難しく、また半導体の選別が難しいという問題がありました。FDOA-01では初段の差動増幅回路に高増幅率のデュアルFETを採用することでこれを解決。個体差がなくフォノイコライザーにも十分足りる内部ゲインを持っています。

FDOA-02


FDOA-02は01と基本はほぼ同じ回路ですが、こちらはバイポーラTr入力です。初段はデュアルのバイポーラTrを採用しています。全体的に落ち着きがあり、中低域が充実した音色になっています。バイポーラ入力ですので、既存のAPI2520搭載機材との相性もよく、特性的な互換もあります。




またどちらも定電流回路とバイアス回路にLEDを採用しています。一般的にこれらの回路にはツェナーダイオードやスイッチングダイオードなどの汎用シリコンダイオードが用いられるのが普通ですが、微弱電流においてはダイオード自身がノイズの発生源になっていました。LEDはそれらに比べて無視できるほどにノイズが小さいというメリットがあります。LEDなので通電時には当然発光しますが、電力を無駄遣いしている訳ではないです笑

この2つは単品で支給もしますが、(※)これらを使って新型のマイクプリアンプとフォノイコライザーも製作いたします。既に試作は何度かしており、とても高評価を得ています。またプロオーディオだけではなく民生用のアンプにも転用できますので色々な応用を考えています。

今後はこういったディスクリートのモジュール製作が中心になっていくと思います。続報をお待ち下さい。

※各ページに記しました通り通常はペアーで¥15,000で販売します。

2018年6月4日月曜日

志向を変えまして…

BA283AMをBA283AVにコンバート

BA283AMに部品を追加してBA283AVにコンバートしています。もちろん清掃と一緒にリキャップも同時に行いますが、今回はすこし志向を変えましてニチコンFGを使ってみました。

基本的にヴィンテージ部品やモジュールをリキャップするときは元々付いていたものと同じメーカーの部品でリプレイスします。仮にオリジナルの部品が手に入らない場合でも音色の影響などを配慮してなるべく近いタイプのものを選ぶのが原則です。

しかし今回は逆に「音を狙って変化させる」方向で実験したかったのであえてニチコンFGを付けてみました。(Neveですと普段はフィリップス製のチューブラタイプを用います)普段の製作用で大量にストックしているものです。

ニチコンFGについて今更説明すると、いわゆるニチコンのオーディオ向け電解コンの中で最も流通しており入手性の良いものです。秋月電子などで安価で売られているのでファーストチョイスがこのコンデンサという人も多いかと思いますが、音は結構クセがあります。具体的にはゆるやかなドンシャリというイメージで、中低域がやや膨らみつつもつるっとした高域が出る感じです。上位品のKZとなってくるともっと高域が綺麗に伸びますが、FGは中高域からゆるやかに伸びるイメージで、漠然と音が太くなる印象。逆に言うと抜けはあまり良くないので、明瞭さを出したいときには不向きでしょうか。

ヒアリング・チェック用の治具にリキャップしたBA283をセットし…ラインアンプとしてまず音を聴いてみます。これがなかなか悪くありません。アウトトランスをバイパスして聴くと意外とBA283はあっさり目の音がするのですが、適度に中低域が足されて密度も出ている気がします。むしろ標準で使っていたフィリップスのほうがナローに感じました。

定番や標準品にとらわれず、いろいろな部品の組み合わせを試してみたほうが良いと考えさせられる良い機会になりましたので、オーディオ向けだけではなく標準品でも試行錯誤してみようと思いました。ELNAや東信などもまだ試してないので…まずはBA283Pを使ってテストしてみるのもアリですね。


2018年5月28日月曜日

基板頒布の一覧



頒布中の基板一覧です。原則PCBのみになります。
モジュールとしての完成品が欲しい方は別途問い合わせてください。
(回路図とマニュアルはすべての基板に付属します)


2018年5月4日金曜日

新製品のお知らせ(予約受付を延長中)

TFDI-02

新製品 TFDI-02 All Discrete&Transformer D.Iを発表いたします。

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TFDI-02はFloatia Designsがプロオーディオで培った技術を集約して製作された、ひとつの完成形となるダイレクトボックス&プリアンプです。

ディスクリートオペアンプを2基内蔵

音声回路はICを使わずすべてディスクリート半導体を使ったオールディスクリートによるデザインです。今回このTFDI-02の為に専用のJ-FET入力のディスクリートオペアンプ(DOA)を開発し、それをプリアンプ&ラインドライバーとして2基搭載しています。高インピーダンスに最適なペアマッチドのJ-FETバッファはギター・ベースなどの特性をストレートに表現しつつ、ディスクリートならではの肉厚なサウンドが得られます。

アウトプットレベルとは別にプリ・ゲインも可変になっているので、ゲインポジションによる音色の変化も選択できます。電源はSapphireと同じ専用の+24V電源を使い、十分なヘッドルームを持っています。そして非常にローノイズです。

D.I出力は電子バランスではなくオーソドックスなトランスバランスです。サウンドの肝であるトランスはカスタムコア持つ基板マウント型のオーディオトランスを採用しました。ローエンドからハイエンドまで帯域のバランスが良く、またトランスを通過した倍音感も適度に付加させられるものをチョイスしています。

また最大の特徴はアンバランスアウト(スプリット)信号はスルーアウトではなくプリアンプアウトという仕様になっています。プリアンプアウトはTFDI-02を通過したローインピーダンス出力ですので、TFDIをプリアンプとしても使うことが可能です。ライブ・レコーディングなどでライン録音にはD.I出力を使い、アンバランスをアンプなどへ…というシチュエーションの場合でも、両方の出力でTFDI-02の音色を得ることができます。

TFDI-02は、フラッグシップのマイクアンプやスタジオアウトボードと同じグレードを提供します。

Price : ¥46,000 (tax included)

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5/30まで初回ロットの注文を受付いたします。(初回ロット10台・納期6月2週目頃)
受付再開しました!!
スポット生産になりますので、次回以降はまだオーダー待ちが一定数になってからの製作になるので時間をいただきます。問い合わせはcontactよりお願いいたします。


2018年4月17日火曜日

低雑音J-FETの枯渇



2018年現在、オーディオ向け半導体は益々入手が困難になっていますが、中でも初段の増幅回路などに使える低雑音・高利得のディスクリートJ-FETは枯渇が急速に進んでいます。特に古典的なリードタイプの部品は次々にディスコンになり、汎用チップ部品へのシフトが目立つため自作派の人で困っている人は多いと推測できます。

元々リードタイプ(TO-92)のJ-FETは東芝製の2SK30、2SK170が製造中止ながらも2014年中頃までは部品屋で安価で大量に入手することが可能でした。が、秋月電子など大手のショップで取り扱いが終了した後は価格も倍以上へ高騰、入手性も不安定になっています。まとまった数を確保するのが困難となり、最近では隣国からセカンドソースとして偽物も出回っているくらいで、入手難の様相が伺えます。(偽物は同等の性能が出ません)

私がオーディオ用の回路で用いているFETの現状は、以下のような状態です。
全て東芝製です。Nチャネル型のみ。

・2SK30ATM (GR)
低雑音。楽器用バッファーや、作動入力、定電流回路用。
2018年現在は入手がやや困難。価格は一個¥60〜100程度。
サウンドはツルッとしたストレートで締まった音。

・2SK170 (GR, BL)
低雑音・高利得。
バッファーや作動入力に適し、高利得なのでマイクプリアンプやMCアンプにも使える。
2018年現在は入手が困難。価格も1個¥150円前後。
コンプリメンタリの2SJ74は今では更に希少。
サウンドはしなやかさがある豊かな音。

・2SK369 (BL, V)
低雑音・高利得。
2SK170と同じく高利得なのでマイクプリアンプやMCアンプに適している。
IDSSが高いVランクがある。特性のバラツキは多い。
2018年現在は秋月電子通商で購入可能。(購入数制限あり)
サウンドは華やかさもありややにじみ感もある音。


TO-92だと2SK369(V)がまだ店頭購入できますが、既に製造自体は中止されているものですので2,3年後には扱いも恐らく終了すると思われますのでその先はいずれ2SK30や2SK170と同じような流れになると思われます。

現行品として表面実装用のチップ型パッケージとして入手なものは以下になります。

・2SK209 (GR,BL)
低雑音・高利得。
Yfsが高く2SK30や170の代替になりそうなチップFET。
中身は2SK117の同等品とのこと。

・2SK2145 (GR, BL)
低雑音・高利得。デュアルパッケージ(重要)
2SK209をデュアルにしたFET。
5本足のパッケージでソースは共通端子となっている。
2本の特性が揃っているため作動入力の初段に最適。


 上記以外にも海外製なども探せば他の選択もありそうですが、同じ東芝でピックアップしてみました。低雑音&高利得のシングル、デュアルが両方とも入手できるのが救いでしょうか。特に2SK2145は貴重なデュアルパッケージで、デュアルFETの2SK389が入手困難になった現在では貴重な選択肢です。幾つか計測してみると特性のズレも少なくオフセット調整しなくても使える範囲におさまっています。個人的にチップ半導体の音質には懐疑的だったのですが、2SK2145に関しては非常に良好でした。2SK170に似た少しソフトな面もありつつ帯域のバランスが良いと感じたので。

ただし全て表面実装用のパッケージですので、専用のPCBを作るのは必須になっていきます。2.54mmピッチへの変換ソケットは販売されていますが、いちいち使うのも手間ですので、一度試作した後は自分の使う回路でPCBを設計してしまったほうがいいと思います。

ハイエンドクラスのアウトボード(Avalon、GMLなど)も中身が出力段以外は全部表面実装、ということも最近は普通になってきているようですので、リード部品からチップ部品へのシフトというのは覚悟しながら物づくりをしていかざるを得ないのかもしれません。

2018年4月16日月曜日

4月のお知らせ

最近更新があまりできませんでした…が近況をざっくり。

新製品はオールディスクリートのD.Iを予定しています。
開発や研究には1年近く要して、小型化をさせつつ高音質を実現しています。内容的に言うとまずJ-FET入力のディスクリートオペアンプをこのD.Iのために開発しました。サウンドも今までSapphireなどで使ってきたメタル缶FETよりも上をいくと思います。今は様々なプレイヤーにチェックして頂いている最中です。この話はまた製品の概要がしっかりと決まってから書いていきたいと思います。

以前から書いていた通り、基板頒布のラインナップが増えました。
HPA-02は在庫限りですが、いまは以下の3枚があります。

BA283P PreampBoard  ¥2,830
言わずもがなNeve BA283のクローンです。



・2520-2  ¥3,240
API2520規格のディスクリートオペアンプがステレオでプリアンプ化できる基板です。



・BLOT-01  ¥1,080
アンバランス出力を+4dBuバランス出力へ変換する変換基板。



プロオーディオ向けがメインですので、自作派の人の強い味方になると思います。特に2520-2とBLOT-01は組み合わせればバランス出力のプリアンプになりますし、トランスさえあればマイクプリアンプにも応用できますしね。マイクインプット(電子バランス)の基板も追加予定です。

今後はこういった基板やキットの頒布が増えていくと思います。うちで完成品まで作ってしまうと、やはり¥50,000以下だとなかなか製品として成立しづらいというのがあります。なのでアイデア的な提供というか自作の面白さも体験しつつアフォーダブルなコストで色々と提供をしていこうと考えていますので、是非ともよろしくお願いいたします。