2019年10月30日水曜日

FETD-02Lとの上手な付き合い方



今年頭にリニューアルされ、プレイヤー同士の口コミで話題になりつつ、上々の評判を得ているベースプリアンプ・FETD-02L Sapphireですが、サウンドメイクに融通が効き、そのセッティングは多岐に渡ります。

またその自由度ゆえにまだ使い方を模索している最中の方もいると思います。


今回のエントリでは、マニュアルやスペックだけではなく一製作者としてFETD-02Lをうまく使いこなすTipsを紹介したいと思います。






・ゲインセッティングについて


Sapphireのサウンドカラーを決めるゲインの設定ですが、非常に増幅率が高くヘッドルームも広いので、12時ではなく、ゲイン最小のポジションを基本と考えてください。

特に楽器が高出力のアクティブ楽器の場合は、広いヘッドルームも限界まで活かすために、ゲイン最小のポジションで、アウトボリュームのみで音量調整するセッティングを推奨いたします。

もし今まで漠然と、Gainを上げた状態でセッティングをしていた方はイコライジングせずにゲイン最小のポジションで音をよく聴いてみましょう。ドライブ感の変化だけではなく、わずかに低音が豊かになっているはずです。これは初段のヘッドゲインをフィードバックで制御していることによる音質変化です。

逆にヴィンテージ・フェンダーのような王道かつ出力が減衰しているような楽器に関しては、ゲインを12時以上に上げたセッティングで、ややドライブさせつつ指先のコントロールで音質をアジャストさせるのがよいでしょう。音像が広がりつつも、アンサンブルで馴染みの良い、高品質アンプの音が体験できます。



・イコライザーについて


Sapphireの3バンドイコライザーは一般的なEQと違い、音質補正に特化しています。

また個人的な狙いとして“直感的に操作してほしい”と考えているので具体的な周波数は明かしていません。


Bassは低音の補正で、音作りの中心といっても良い部分です。一般的なイコライザーよりもより低い周波数にもシェルフカーブで作用します。ベースの“太さ”というよりも存在感そのものをコントロールするバンドです。パッシブタイプの楽器ならばほんの少し持ち上げるセッティング(3時方向)がおすすめです。


Midは中域をコントロールしますが、Sapphireのミドルコントロールはやや高い周波数……ハイミッド寄りに設定されています。これが本機の特徴的な部分ともいえます。

これは『良質な楽器を適切にプレイしている限り、ミッドブーストは必要ない』という私の考えに基づくものです。

つまり基本的にはミッドコントロールはブースト方向ではなく、カット方向で調整するのが主な役目です。(もちろんブーストで音作りするのが間違いという訳ではありません)カット方向で音作りをしていくと、隣り合うBass/TrebleのEQの効き方もまた変化し、より精密なサウンドメイクが可能です。

TrebleはBassの真逆でより高い周波数にシェルフカーブに作用します。ブーストすれば適度な倍音とエッジ感が得られ、またカットすると緩やかにロールオフするので、まるでパッシブトーンのようにも扱えます。


ミッドカットを含めた具体的な使い方を挙げてみましょう。

例えばゲインを上げつつBassをブーストし、押し出しが強いサウンドメイクをするとします。高域のキレがほしいので更にTrebleでブーストしたい……しかしそうすると相対的に楽器がもつアタック成分が持ち上がり、フレットバズなどが浮きすぎてしまいます。そこで、Midのアタックと重なる帯域をMidFreqで探り、その帯域をピンポイントでカットします。すると、低域・高域がスムーズにブーストされつつも、耳に痛くないサウンドに仕上がる……といった具合です。


・・・


ここで挙げた例は飽くまでも一例です。試行錯誤しながら自分のベストなセッティングを見つけてください。


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