もちろんハイクオリティーを目指すならばフルディスクリートでやるべきです。最近は定電圧素子にLEDを採用したものをメインで採用するようになりました。いわゆるLED電源と呼ばれているようなものです。
LEDレギュレータの詳しい動作原理はコチラなどに情報がまとまっているので参照して頂くとして、要はトランジスタのベース電位を決定する部分にツェナーダイオードを使用するのではなく、LEDを用いたレギュレータです。
オーディオ界ではそこそこ定説になりつつあるのでご存知だとは思いますがツェナーダイオードは素子そのものから微弱なノイズを発します。そのノイズ成分というのは電気的にも微々たるものなのですが、増幅部によって音声と同じように増幅され超高域や倍音部分に影響すると考えられています。そこでツェナーよりもノイズが少ないとされるLEDの順方向電圧(Vf)を使って代用しようという考えです。
ディスクリートオペアンプFDOA-01の定電流部分にもLEDが使われているのは同じ理由ですね。
ちなみにDCレギュレータの回路構成というのは大抵似た構成で、一般的に普及しているのは出力Trの電圧をオペアンプを使って検出し、フィードバックによって電圧をコントロールするタイプです。私が今まで使うことのあった金田式の電源レギュレータも、オペアンプに相当する部分をディスクリートの差動回路にしているというだけで、基本的な回路構成は教科書的なものから逸脱したものではありませんでした。
フィードバックをかける方式は、電圧の微調整が簡単に可変抵抗で出来るところですが、電力供給のスピードは無帰還のレギュレータより劣ると以前から感じていました。今回製作を始めたLEDレギュレータは無論ディスクリートなのですが、無帰還レギュレータであるという点も音質に貢献できるのではと思い製作に入ったという経緯があります。
基本回路は定電流回路と出力トランジスタを組み合わせた、非常にシンプルなものです。
まずは出力電流は小さくてよいので、基本形となる2石回路で電源を組んでみました。
ちなみにDCレギュレータの回路構成というのは大抵似た構成で、一般的に普及しているのは出力Trの電圧をオペアンプを使って検出し、フィードバックによって電圧をコントロールするタイプです。私が今まで使うことのあった金田式の電源レギュレータも、オペアンプに相当する部分をディスクリートの差動回路にしているというだけで、基本的な回路構成は教科書的なものから逸脱したものではありませんでした。
フィードバックをかける方式は、電圧の微調整が簡単に可変抵抗で出来るところですが、電力供給のスピードは無帰還のレギュレータより劣ると以前から感じていました。今回製作を始めたLEDレギュレータは無論ディスクリートなのですが、無帰還レギュレータであるという点も音質に貢献できるのではと思い製作に入ったという経緯があります。
基本回路は定電流回路と出力トランジスタを組み合わせた、非常にシンプルなものです。
まずは出力電流は小さくてよいので、基本形となる2石回路で電源を組んでみました。
通電中 |
通電すると当然発光します。
肝心の音はどうでしょうか。プリアンプに作ったLED電源を接続してみます。
…。
むむっ、意外と音がこもっている…??
違います。今までと比べて中低域が豊かになっているので相対的に高域が小さく聴こえていただけでした。分かりづらかったので音量を上げていって、再度比較すると音の情報量が全帯域で増えているように感じます!しかしまだ音の輪郭はボヤっとしているので、更に10時間ほどエージングを試みました。
エージングを経て今度はDACやその他の機器でも検証。
10時間を境に徐々に高域が伸びてきました。いい感じです。
元々単電源スイッチングアダプターで動いているような機材は差し替えるだけで効果がありますね。
ざっくり言うと全帯域で情報量が増えた豊かな音だと思います。しかも高速レギュレータ系と違ってトランジェントがスムースで痛くない。音の細かな粒がしっかりとキャプチャーされる印象です。コンシューマー向けのハイエンド電源などには特に相性が良さそうです。
…。
むむっ、意外と音がこもっている…??
違います。今までと比べて中低域が豊かになっているので相対的に高域が小さく聴こえていただけでした。分かりづらかったので音量を上げていって、再度比較すると音の情報量が全帯域で増えているように感じます!しかしまだ音の輪郭はボヤっとしているので、更に10時間ほどエージングを試みました。
エージングを経て今度はDACやその他の機器でも検証。
10時間を境に徐々に高域が伸びてきました。いい感じです。
元々単電源スイッチングアダプターで動いているような機材は差し替えるだけで効果がありますね。
ざっくり言うと全帯域で情報量が増えた豊かな音だと思います。しかも高速レギュレータ系と違ってトランジェントがスムースで痛くない。音の細かな粒がしっかりとキャプチャーされる印象です。コンシューマー向けのハイエンド電源などには特に相性が良さそうです。
検証中に感じた、レギュレータによるざっくりとした音の傾向は以下の通りです。(プリアンプに使用)AC>DCまでは一般的なトロイダルトランスを使ったリニア電源とします。
・三端子レギュレータ
スピード感はないが、まったりとした太い音色になりやすい。
デカップリングCの組み合わせで音が大きく変化する。プロ機器向け。
固定電圧タイプと可変タイプ(317系)で音が異なる。
固定電圧タイプと可変タイプ(317系)で音が異なる。
・ディスクリート・レギュレータ(帰還型)
立ち上がりの早い音で、音がはっきりと明瞭になる。
三端子と比べると全体的にやや明るめの音色。
細かいディテールがよく見え、音楽的な響きも良好だが、やや線は細く聴こえる。
出力トランジスタの音が音色に大きく関わる。
三端子と比べると全体的にやや明るめの音色。
細かいディテールがよく見え、音楽的な響きも良好だが、やや線は細く聴こえる。
出力トランジスタの音が音色に大きく関わる。
・LEDディスクリート・レギュレータ
普通のディスクリートレギュレータより更にレンジが広くなる。
高域が滑らかでスムースに表現される。低音は太く質量感がある。
中域に残るリバーブや奥行きも濃密なまま聴こえる。
・スイッチング電源(参考)
クリアーで立ち上がりは早く音のヌケも良いが全体的に粒子の細かなザラつきもある。
低域側のスピードが遅く、質量感がないので線が細い。
高域・低域のバランスが悪い。
高域・低域のバランスが悪い。
音質的には非常に高いポテンシャルとアドバンテージがあると試作をして感じました。
特に同じリニアレギュレータでも三端子と比較すると音の立ち上がりのスピードが全く違います。私が元々使用していた金田式のリニア電源もディスクリート構成でかなり立ち上がりが早かったのですが、それに音楽的な空気も増したような印象を受けました。これは先述の無帰還が効いている気がします。
弱点としては、現時点の2石回路だと電圧の微調整が難しいという点でしょうか。このあたりはベース電位を決めるLEDをVfで選別し、ちょうど自分が欲しい値にアジャストできるように調整するしかないですね。例えば一般的な緑や赤LEDはVfが1.8〜2.1V程度なのに対し、青LEDは2.8V前後あり大きいのでうまく使い分けることによって必要な電圧を取り出すと良いと思います。
弱点としては、現時点の2石回路だと電圧の微調整が難しいという点でしょうか。このあたりはベース電位を決めるLEDをVfで選別し、ちょうど自分が欲しい値にアジャストできるように調整するしかないですね。例えば一般的な緑や赤LEDはVfが1.8〜2.1V程度なのに対し、青LEDは2.8V前後あり大きいのでうまく使い分けることによって必要な電圧を取り出すと良いと思います。
小信号用のトランジスタ2石だと出力電流の最大量はあまりないので、出力段をダーリントンにするなどして、hfeを稼ぎつつパワートランジスタを使えば大出力の電源を作ることも可能です。それでも部品点数が少なく、トランジスタとLEDの選別さえしっかりとしていれば比較的ローコストで良質なレギュレータが作れるのがLEDレギュレータの強みともいえると思います。先述の差動アンプ方式の帰還型レギュレータは正負で10個以上のトランジスタが必要なうえに差動部分で正負のペアリングもしなければいけなかったので、おのずとコストが高くなるのが欠点でした。
その後LEDレギュレータをさっそく応用したモノを作りました。
オールドMark Levinsonで使える電源ユニットです。
0 件のコメント:
コメントを投稿