2019年5月1日水曜日

TFDI-02が抜群のサウンドを持つ理由

TFDI-02


プリにもなるD.I、TFDI-02が最近徐々に売れ始めています。

発表当初はまったく反響がなく注文も少なかったものですから冷や汗をかいたものですが、そのクオリティーに間違いがないと確信して開発していたので辛抱強くアピールを続けていました。やっとここ半年の間で非常に好評が続いており、ミュージシャンだけではなくエンジニアさんの評価もうなぎのぼりのようです。

今回は改めてTFDI-02について解説してみたいと思います。




開発のきっかけ


元々はミュージシャン向けのプライベートストックとしてLQTF-01というトランスドライバーを開発していました。それはLQTFは多くのヴィンテージ部品を使い、なおかつ+4dB入力も備えていましたのでほぼ高級ラインアンプと同じでした。なのでサウンドは最高のものでしたが、コストが掛かりすぎて量産はできません。このLQTFから+4dB入力を省き、全て現行のディスクリート半導体で再構築したモデルを製作できたら…?というのがきっかけです。

当初から開発のモニターで関わっていたプロプレイヤーの松野圭吾氏の意見も取り込み

・ゲインステージとアウトプットレベルは個別に調整できること
・スルーアウトではなくプリアンプアウトにすることでプリ単体としても使えること

などが盛り込まれました。
結果的にこれが個性になり正解だったと思います。


TFDI-02の音が良い理由・ここがスゴい!


なんと言っても完全オリジナルのディスクリートアンプ(DOA)を搭載しているところです。元々プロ用にFDOA-01というオリジナルのAPI2520互換オペアンプを私は開発しましたが、それをよりハイインピーダンス向けに特化・レスポンスをさせグレードアップしたものです。

世の中のハイインピーダンス向けバッファ…いわゆるギター・ベース用のバッファですが、その殆どがディスクリートと謳っていてもJ-FETを1本使ってシングル動作で受けているだけです。よくディスクリートを売りにしている楽器系アイテムもありますが、製作者に「差動アンプですか?シングルですか?」と訊いてみてください。たぶんみんな黙ってしまうと思います。

メインアンプの基板

TFDI-02は前述の通りプロ用の高精度な差動アンプ(オペアンプ)をフルディスクリートで組んでいます。特性・レスポンス・音の太さのすべてを両立できます。しかもそれをゲインドライバーとトランスドライバーにそれぞれ1つずつ…つまりは2基も専用DOAを搭載しています。もちろんその他の部品(抵抗・コンデンサetc)もすべて音響用に選別しています。出力用のライントランスもです。

つまり、小さなアルミケースに収まっていますが、中身は2〜30万円クラスのマイクアンプやアウトボードと同様の回路なんですね。

D.Iにここまで惜しみないコストを注ぎ込んでいるのは、恐らくうちだけでしょう。しかしそれ故にトラッドで馴染みのあるクラシック・トーンになるのです。

定価はちょっと高めではありますけれど、中身を考えると既にかな〜りお得だと思います。






ベースプレイヤー/アーティストの白神真志朗氏の感想。

松野圭吾氏、山崎英明氏など愛用されプロプレイヤーだけではなく、宅録やDTMer、エンジニアなど幅広い人におすすめできるアイテムです。

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