2016年4月14日木曜日

BA440とBA640

左BA440,右BA640
忙しすぎて久々の更新になってしまいました。

最近立て続けに??オールドNeveのノックダウンやラック化の依頼が続き、パワーサプライだけではなくNeve本体の修理や調整をしたりするのですがその一端の作業です。

こちらのBA440とBA640というのはNeveの出力アンプカードの一種です。
出力段ということでトランスのような負荷がぶら下がるので、当然電流増幅段が必要になってきます。見て分かる通り、出力段にはメタルカンTrのSEPPとなっています。ここがかなり発熱するので大きめの放熱器が付いています。

BA440とBA640は互換性があり、入れ替えたりすることも可能です。
この2つのアンプカードの違いですが、440のほうが先駆でフルディスクリート仕様です。構造自体はNeve特有のNPNトランジスタによるシングル増幅段+プッシュプル出力という古典的なものです。
それに対し、後期に作られた640は入力&増幅部分がIC、出力段はSEPPというハイブリッド仕様になっています。

この2つの違いというのはいわゆる良し悪しというものではなく、音色の違いという風に私は捉えています。フルディスクリートの440はオールドらしい中低域に色気があるのに対し、ハイブリッドの640は全体域に対してバランスが良くスピード感があるという印象です。

Neveのアンプカードというと以前紹介した283などもありますが、あちらが基板用ソケット接続に対し、こちらはオペアンプタイプのピン接続なので、このアンプだけ使って別の機材に作り変えることも可能です。出力トランスを付けるためのドライブアンプにしたりと…なかなか面白いですよ。

1 件のコメント:

  1. とても興味深く読ませて頂きました
    440/640の違いをよく理解できました

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