2018年12月31日月曜日

Mark Levinson用電源ユニット

PSU for Mark Levinson


オールドMark Levinson用の電源ユニットを製作しました。
JC-2、ML-1、ML-6、LNP-2に対応するものです。


2018年12月23日日曜日

ML用モジュール続報

オールドMark Levinson用の各種モジュール開発ですが……その後も改良を重ね、JC-2, ML-1用のラインドライバーモジュールは概ね最終型になりました。

ラインドライバーモジュール FLD-1 Proto


クラスAの特性を十分に活かすために終段のSEPPトランジスタはモールドタイプからメタルカンタイプへ変更しました。より音の立ち上がりがタイトになりました。また温度特性が良好というのもありますね。

そして入力初段もモールドタイプのデュアルFETでしたが、さらなる音のリアリティー・臨場感を追求するためにこちらもメタルカンタイプのFETに…。今となっては希少品になりつつあるものなので、現行のモールドやチップタイプ と比較するとコストは非常に高くなりますが、サウンドを最優先すべく採用することにしました。

DCオフセットは電源ユニットの精度が出ていれば+-0.1mVまで追い込むことができます。

ラインドライバーだけで既に5つ以上のバージョンを試作しており、やっと最終段階に入ったという感じです。改良を重ね、着実に進化してきています。


Phonoモジュール FPA-01 Proto


フォノモジュール&LNP-2用モジュールも鋭意製作中ですのでしばしお待ち下さい。
電源も件の新レギュレータを使ったものが良好な結果が出ています。

2018年12月18日火曜日

2018年末の限定品

年末に差し掛かりましたのでこの時期のみの限定品のセールをやろうと思います。
準備ができ次第、順次更新しますのでこまめにチェックしてください。
マイクプリアンプから楽器系ペダル類、DIY系と色々出品の予定です。

・すべて販売数は一個限定です。
・再販の予定はありません。
・販売期間は12/25まで。売れ残ったものがあっても終了。

ご了承ください。
お問い合わせはメールでよろしくお願いいたします。
売れたものはSOLD表記します。

その1)
FETD-03 Pomegranate (Turquoise Blue)  SOLD!!

Limited FETD-03


今年の春先に惜しくも生産終了になったベース向けオーバードライブFETD-03 Pomegranateが1台のみの限定復活。通常のポムグラパープルではなくターコイズブルーのカスタムカラーになっております。ドライバー段のオペアンプはヴィンテージの4558を採用。強力なローのドライブ感はそのままに更に粒立ちが良くなっています。今後は一切生産予定がないものなので実質FETD-03を入手する最後のチャンスです。


その2)
HA-02 Custom 2ch MicPreamp  ¥168,000

HA-02 カスタムモデル

フラッグシップモデルのマイクプリアンプHA-02を特別にグレードアップしたモデル。元々はスタジオ用のテストショットでしたが特別に放出。まず出力トランスはヴィンテージAPIの卓から取った2623トランスを採用!入力もオリジナルDOAであるFDOA-02に合わせてJensenから特別オーダーしたローゲインタイプのUSA製マイクトランスをマウント。


ディスクリート電源

更に標準モデルでは三端子レギュレータを使った電源でしたが、今回は特別にオリジナルのフルディスクリート電源を搭載。至り作れせりなマイクプリアンプになっています。つまりハイエンド・オーディオ並の音声回路から電源まですべてディスクリートの超ハイグレード・プリアンプになっています。

元々は自宅スタジオのためのテスト・ショットだったということもあり特別に1台だけ提供となります。そのためフロントパネルは仕上げが甘く、少々汚れがありますが、機材としては新品同様です。マテリアルだけでも数万は下らないものですので、超破格です。マイクプリアンプをお探しの方は是非この機会に!


その3)Coming Soon..



2018年12月2日日曜日

窪田式FETプリアンプについて

以前は電源部のみでしたが、窪田登司氏の発案したアンプを一部紹介します。窪田先生のHPに完成されたバージョンのものが幾つかありますのでひとつ引用させて頂きます。


2018年11月29日木曜日

DC Filter Module for JC2 (ML1)

Mark Levinson DRF-2


Mark Levinson JC-2(ML-1)には内蔵モジュールのひとつにDCフィルターモジュールがあります。

これは外部電源からJC-2本体に供給されているDC+-15Vをフォノ専用の+-13Vにドロップして出力するフィルター・モジュールです。DCを本体側で更にレギュレートすることでDC電源の残留ノイズを更に減らす狙いがあるものだと思います。


2018年11月27日火曜日

LEDレギュレータについて

電源のDCレギュレータというと様々な方式があります。三端子レギュレータのように一本のICで可変電源を作れるような便利なものがあります。

もちろんハイクオリティーを目指すならばフルディスクリートでやるべきです。最近は定電圧素子にLEDを採用したものをメインで採用するようになりました。いわゆるLED電源と呼ばれているようなものです。

2018年11月24日土曜日

JC-2のモジュールについて

Mark Levinson JC-2について前回のエントリの続きです。
どちらかというと解析編になりますので、技術的な話になります。

改めて各モジュールについてです。構成は、

・ラインドライバーモジュール *2
・フォノアンプモジュール *2
・DCフィルターモジュール*1

です。
モジュールの外見や型番は時期によって多少違いますが私が分かる範囲で個別に解説します。


2018年11月20日火曜日

BA283Pのパターン修正

頒布した一部ロットのBA283Pにエラーがありました…。
当核の基板を購入された方には大変ご迷惑をおかけしますが、簡単に修正できるので修正方法を以下で説明いたします。

2018年11月18日日曜日

Mark Levinson JC-2について


Mark Levinsonというブランドはオーディオ界で既にご周知の通りですが、中でも最初期の製品にあたるJC-2というプリアンプはヴィンテージ・プリアンプとしていまだに根強い人気を持っています。

最初期この名機をデザインしたのがジョン・カールというデザイナーです。(JC-2のJCはJohn Curlに由来します)ジョン・カールがマークレビンソン時代に携わったアンプはJC-1(MCヘッドアンプ)、JC-2(プリアンプ)、LNP-2(プリアンプ)とごく僅かなモデルに留まりましたが、そのサウンドは高く評価されています。(会社としてはその後デザイナーを変え、様々なアンプを発表。紆余曲折を経て存続していきます)

JC-2(ML-1)は既に回路図も公開されていますので、その全貌は明らかになっています。

中身は非常にシンプルな回路です。特にフォノ入力以外はそのままクラスAの出力アンプ(ラインドライバー)を一度通るだけという潔さ!プリアンプ史上最もシンプルに徹したプリアンプとも言えると思います。


JC-2内部

そして特徴的なのが各アンプセクションはモジュール化されており、取替可能になっていいることです。これは故障時の対応や後のアップデートに対応するためと思われます。モジュールはフォノ用のEQアンプモジュールラインドライバーがLRで各2基ずつ、アンプではないですがフォノ用の電源レギュレータのモジュールが1基搭載されています。もちろんすべてディスクリートです。

またアンプモジュールはすべてJ-FET入力になっています。JC-2の発表は1974年頃。FET入力の本格的な差動アンプを採用されたのは初めてではないでしょうか。(プロオーディオでも有名なAPIやQEのアンプは全てバイポーラ入力です)ジョン・カールも早い段階でFETの優れた雑音特性に目をつけていたのだと思います。

しかしこのアンプモジュール、モールドされているクラスAアンプの宿命もあるのか経年によっていずれ壊れます。40年以上前の製品ですからね。もちろん壊れてしまうと修理をしなくてはいけない訳ですが、モジュール本体は新品ではもう手に入りません。そうなるとオリジナルのモジュールを分解して修理するか、新しく互換性のある代用モジュールを手に入れる必要性があります。

前者(モジュールの修復)に関しては国内外のショップで行うことができるようですが非常にコストが高く、分解しても直らないリスクもあるのでよほどオリジナルのモジュールにこだわりがない限りはオーナーの選択肢には入ってきません。となると互換モジュールを購入するのが有力な選択肢になってくる訳ですが、これもまたオリジナルの音とは異なるうえにモジュール自体もそこそこ良い値段になってしまいます。

ちなみに、オリジナルのラインドライバーやアンプモジュールを模した偽物モジュール(中身はICオペアンプ)も大量に出回っていますので、レビンソンのシールが貼られているからといって海外から入手するのはなかなか危険です。


そういった状況を踏まえて「いっそのこと、うちで交換用モジュールを製作できないだろうか…」と思ったのが数ヶ月前。ちょうどうちではFDOA-01というJ-FETのディスクリートオペアンプを開発したところでしたし、これならばオリジナルに近いサウンドを現代の高品位な部品で再現できるのではと思いました。

ひとまずはメインアンプ部分となるラインドライバーの開発です。
数ヶ月の間に数パターンの試作が出来上がり…。

(つづく)

2018年11月9日金曜日

最近の納期について

色々と立て込んできたので、質問が来る納期についてです。
おおまかですが11月現在の納期ですので参考にしてください。

FTED-02・TFDI-02:1〜2週間
HA-02、マイクプリアンプ等:1ヶ月
フォノイコライザー:3週間〜1ヶ月
その他特注品:1ヶ月半〜
PCBの設計:2〜3週間

よろしくお願いいたします。

2018年10月16日火曜日

特製フルディスクリート・フォノイコライザー

特性フォノイコライザー


フルディスクリートのフォノイコライザーを作りました。
普段ならば音声回路のみですが、今回は電源まですべて、完全なディスクリートです。

左が電源です

イコライザーアンプ本体と電源はセパレートされ、ノイズや電源回路の影響を受けにくいものとなっています。

イコライザーアンプ内。FDOA-01搭載

EQ本体は、シンプルなMM用ゲイン(+40dB)。オペアンプは当方のFET入力型ディスクリートオペアンプであるFDOA-01を採用。ローノイズかつ抜群の解像度を誇ります。

基板はソケット式になっていますので、もしAPI2520互換のオペアンプをお持ちの場合は交換して音色の違いを楽しむことが可能です。ベースは普段レギュラーで製作しているPEQA-01ですが、多少仕様が変わっていまして、民生用と同じくRCAアンバランス出力です。

ディスクリート電源

こちらがいつもより豪華な電源部。スイッチングではなくオーソドックスなトロイダルトランスを使用しています。レギュレータは高速型ディスクリート・レギュレータです。出力用のメタルカントランジスタ・2N3055とMJ2955のペアーが見えますね。ここからクリーンな電源を生成し、淀みのない音質へ貢献しています。正負のバランスも完全にアジャストできますので本体側のDCバランスも殆ど崩れません。非常に優れた電源です。

肝心の音色ですが、J-FET入力のDOAを用いているので透明感がありつつも音のアタック・輪郭をしっかりとキャプチャーし、微かな音も余すことなく表現できています。特に解像度が市販のイコライザーとは一線を画しており、ポップスのような多音なアンサンブルでも楽器や奏者の今まで聴こえていなかった細かなディテールが聴こえてきます。かといってモニター的なつまらない音ではなく、低域も高域もビビッドを感じる音色であり、音楽的なアーティキュレーションを感じ取れます。


よろしくお願いいたします。

2018年10月5日金曜日

FETD-02のアップデート受付

FETD-02 Sapphire


さて最近より一層プレイヤーの間で評価の高まっているFETD-02 Sapphire BassPreampですが、その中身は常にアップデートされています。

と言っても基本回路そのものは当初から一貫して同じで大きな変更はないのですが、EQの定数や利得調整用の抵抗値を少しずつ変えていったことにより初期型よりも現行型のほうが“操作性”が改良されています。(Gainのカーブなど)

ですので、古いバージョンをお持ちのユーザー様に限り、最新版のモデルへアップデートするプランを受け付けることにしました。

【対象のモデル】
シリアルナンバーがA40以前のFETD-02。(Acoustic, Customモデルはのぞく)

【費用】
¥4,000 (往復の送料はご負担お願いいたします)

【作業時間】
一週間前後。

ご希望の方はメールでお問い合わせください。
※受付終了しました。


※修理同様、シリアルと購入者の名前が一致しないものに関しては受け付けません。
 ご了承お願いいたします。

2018年9月28日金曜日

19インチラック用ケースについて

突然ですが、今までHA-02やプロオーディオ系で使用してきました19インチラック用のケースが製造元から入手不可となりました。

現在代用できるケースを探しておりますが、うちの製品に合わせてカスタムできる新しい発注先を探している途中です。当面は、市販の汎用ケースで製作をさせていただきます。ご了承ください。

2018年9月14日金曜日

Neveのアウトプットトランス その2

前回のエントリから少々時間が空きました。前回のエントリを投稿したあたりからとある物の検証や試聴に時間をかけていたためです。

HT1166 Transformer

そのとあるモノとはこちら…。
Humpback EngineeringがプロデュースするLO1166互換トランス、HT1166です!


2018年9月6日木曜日

コンデンサ交換及びハンダ修正による音質改善



エレキギター・エレキベース全般に施すことができるチューンナップです。
作業代金は基本¥4,500からとなり、作業は概ね30分以内に完了いたします。

基本的に2つの作業を行います。

・標準品からその楽器に一番適した特性のコンデンサに交換
・信号ライン及びGNDのハンダ修正

です。
内容からC.S.Tと呼んでいます。(Capacitor and Solder Tuning)


2018年9月2日日曜日

オンボードプリの採用事例

最近また徐々に納品することが多くなったSapphire Onborad Preampです。



大ベテランのベーシスト齋藤くじら誠さんの楽器にもプリアンプをインストールしました。


2018年8月31日金曜日

頒布PCBの追加

マイク入力用のMCIN-01

頒布用のPCBがいくつか追加になりました。

マイク入力用のMCIN-01、バランス>アンバラ入力基板であるBLIN-01、可変両電源基板のPSA-01の3種になります。価格はすべて¥1,080/1枚です。

ここまでのラインナップを整理してみます。

BA283P : Neve BA283のクローン基板
2520-2 : 2520型DOAプリアンプ基板
MCIN-01 : マイク入力基板
BLIN-01 : バランス入力基板
BLOT-01 : バランス出力基板
PSA-01 : 電源基板

for DIYという名目で公開してきた頒布用基板ですが、現時点でBA283Pを除いた5種の基板で実は既にマイクプリやラインアンプを製作できます。そして、それらを自由に組み合わせることができます。無論、ユニバーサル基板でパターンを構築する手間が省けますから、「自分で基板を作るまでは…」という人には最適です。

特にMCIN-01に関しては微妙に2.54ピッチから外れたUS系トランスを実装できますし、自作する際にはトランス前後が配線の煩わしい部分が省略できますね。

最近はBA283Pもよく売れています。これは一度作り方さえ理解してしまえば、かなりローコストでNeveクローンが製作できる優れもの…。全部実装しなくてもBA283AMみたいにラインドライバーオンリーで使うことも可能です。

DIYフォーラムやキットが活発な海外と違い国内では情報もキットも不足しがちですが、そこを補えるような展開をしていきたいと考えています。なので、こういうアイテムを販売していくことで当方の不利益になるとは一切思っていません。じゃんじゃん自作してください。

2018年8月22日水曜日

【限定品の紹介】HA-02 Single ver.2 【8/26まで】

突然ですが期間限定のキャンペーンです。

以前限定生産したバージョン1

以前からうちのフラッグシップであるオリジナルの2chマイクプリアンプHA-02シングルchバージョン2台限定で製作いたします。通常では製作していない1chのみのバージョンになります。

■スペック
EIA1Uサイズ 奥行き25cm
コントロール:ゲイン、PAD、PHASE、+48V、
入力:マイク入力、D.I入力(Hi-Z)
出力:XLRバランス出力、D.Iスルーアウト

■特徴
元々2chの回路を1ch仕様に。もちろん回路はフローティアオリジナルのディスクリートオペアンプFDOA-01によるディスクリートアンプです。もちろんJ-FETバッファのD.Iも内蔵。電源部にはトロイダルトランスを使ったリニアレギュレータ使用するなどch数以外はコストダウン要素はありません。ver.2では新しいPCBを採用することで、信号の引き回し距離も最短になり、更に高音質になりました。

■こんな方におすすめ!
ハイクオリティーなマイクプリがほしいけど1chで十分足りる、2chのHA-2だとちょっと予算オーバー…なんて方にはベストです。歌録りのために1chだけでとにかく高品位なマイクプリアンプが欲しい方や、特に普段はプレイヤーとしてギターやベースをプレイしつつ、家でデモ製作や宅録もやる…なんていうシチュエーションでしたら特におすすめできますね。J-FETのD.Iも兼ね備えていますので。作曲などをやっていてDAWで製作したトラックを中心に生楽器をダビングする方なども相性が良いです。


価格ですが、
¥85,000 (+tax)
にて受け付けます。
通常の2chが¥188,000ですので差額を考えても非常にお買い得です。

ただし諸般の都合で8/26まで限定の受付となります。
受付期間が短くて申し訳ないのですが、通常のオーダーではこのシングルバージョンは今後も製作しませんのでこの機会をお見逃しなく。悩んだらまずはメールをよろしくお願いいたします!


2018年8月8日水曜日

VPR500製品についての見解



定期的にお客さんからも質問や相談を受けるので書こうと思っていましたが、今回はVPR500製品についてです。いわゆるAPIで言うところのランチボックス・モジュールです。


2018年7月28日土曜日

Neveのアウトプットトランス その1

オールドのNeveといえばアンプカードとトランスがサウンドのキモですが、今回はアウトプットトランスについてです。中でも最も有名なひとつがこのMarinair LO1166です。コンソールの中核部分、また1073や1066のようなモジュールの最終段に使われているものです。

Marinair LO1166 Matched Pair


近年は神格化されすぎたせいか海外でも高騰&入手困難で、今となってはこういった綺麗なペアーを確保することは難しくなってきています。(売り物のストックはもうとっくの昔にありません)


2018年7月15日日曜日

FETD-03は生産終了になります

ディスコンのお知らせです。



FETD-03 Pomegranateは7月いっぱいを持ちまして生産終了とさせて頂きます。なお、後続モデル生産の予定はありません。ご希望の方は、7月末まで発注を受け付けますのでそれまでに発注して頂ければと思います。

よろしくお願いいたします。

2018年7月14日土曜日

窪田式FET電源

FETアンプで著名な窪田登司先生が80年代に発表していた定電圧回路です。この手の回路は通常電力増幅用Trをダーリントン接続+誤差増幅器で構成されますが、入力インピーダンスが高いという点に着目してMOSFETが採用されています。いわゆる高速レギュレータの一種です。簡易的に、窪田式FET電源と呼ぶことにします。基本回路図は以下の通りです。

窪田式FET電源

Q14のベース電位を決めるのにツェナーダイオードが使われています。並列で繋がれている電解コンデンサはツェナーダイオードから発生するノイズを吸収するためということですが、この定電圧素子をLEDでやってみたら面白いのではないかと思いました。LEDならば素子から出るノイズは圧倒的に少ないですしこのコンデンサも省略することができます。ベース電位を約6Vほどにしたいので、Vfが約2Vの赤色LEDを3本、もしくは2.8Vの青色LEDを2本といった具合でしょうか。これを応用してプリアンプ用の電源を作ってみたいと思います。

2SK214/2SJ77は流石に古すぎて入手難ですのでMOSFETは手持ちにストックがある2SK2013/2SJ303を使ってみることにします。PCBは既に発注をかけているので到着待ちです。

窪田式FETアンプに関してはまた別のエントリにて。

2018年7月2日月曜日

開発中のもの、今後の予定

FDOA-01の反響が既に多方面である最中ですが、開発中のアイテムや今後の方針などをお知らせしたいと思います。

まず『現在開発中』のアイテムです。


2018年6月28日木曜日

Neve BA208 AmpCard

BA208

ストックパーツの類を整理していたら、Neve BA208が沢山出てきました。

これもオールドNeveのアンプカードの一種で、コンソール内のスイッチングユニットNeve1948のバッファー的に使われていたアンプです。比較的用途が近いのはBA283AMでしょうか。しかし、BA283とは回路が少し異なります。回路図を見てみましょう。


2018年6月15日金曜日

オリジナルのディスクリートオペアンプ

FDOA-01


Floatiaオリジナルのディスクリートオペアンプ、FDOA-01FDOA-02を発表します。
共にAPI2520と互換性のあるディスクリートオペアンプ(DOA)になります。

オリジナルのDOAのアイデアは2年近く前からありましたが、少なくともオリジナルの2520や、既存のDOAに対して何らかのアドバンテージがあるものでなければならないという考えがあり、十分なクオリティーのものになるまでは時間が掛かりました。それがやっと形になったのでこの度発表となりました。

まずFDOA-01ですが、こちらはJ-FET入力タイプのDOAになります。ローノイズかつFET特有の切れのあるクリアーで繊細なサウンドが特徴です。音の立ち上がりの早さ、明瞭さは他のDOAよりも格段に優れています。

FETは入力インピーダンスが高くセンシティブな信号の増幅に向いていますが、十分な増幅率を確保することや、また半導体の特性選別が難しいという問題がありました。FDOA-01では初段の差動増幅回路に低雑音・高増幅率のデュアルマッチド・FETを採用することでこれを解決。個体差がなくフォノイコライザー・マイクプリアンプにも十分足りる内部ゲインを持っています。

FDOA-02


FDOA-02は01と基本はほぼ同じ回路ですが、こちらはバイポーラTr入力です。初段はデュアルのバイポーラTrを採用しています。全体的に落ち着きがあり、中低域が充実した音色になっています。バイポーラ入力ですので、既存のAPI2520搭載機材との相性もよく、特性的な互換もあります。




またどちらも定電流回路とバイアス回路にLEDを採用しています。一般的にこれらの回路にはツェナーダイオードやスイッチングダイオードなどの汎用シリコンダイオードが用いられるのが普通ですが、微弱電流においてはダイオード自身がノイズの発生源になっていました。LEDはそれらに比べて無視できるほどにノイズが小さいというメリットがあります。LEDなので通電時には当然発光しますが、電力を無駄遣いしている訳ではないです笑

この2つは単品で支給もしますが、(※)これらを使って新型のマイクプリアンプとフォノイコライザーも製作いたします。既に試作は何度かしており、とても高評価を得ています。またプロオーディオだけではなく民生用のアンプにも転用できますので色々な応用を考えています。

今後はこういったディスクリートのモジュール製作が中心になっていくと思います。続報をお待ち下さい。

※各ページに記しました通り通常はペアーで¥12,000で販売します。

2018年6月4日月曜日

志向を変えまして…

BA283AMをBA283AVにコンバート

BA283AMに部品を追加してBA283AVにコンバートしています。もちろん清掃と一緒にリキャップも同時に行いますが、今回はすこし志向を変えましてニチコンFGを使ってみました。

基本的にヴィンテージ部品やモジュールをリキャップするときは元々付いていたものと同じメーカーの部品でリプレイスします。仮にオリジナルの部品が手に入らない場合でも音色の影響などを配慮してなるべく近いタイプのものを選ぶのが原則です。

しかし今回は逆に「音を狙って変化させる」方向で実験したかったのであえてニチコンFGを付けてみました。(Neveですと普段はフィリップス製のチューブラタイプを用います)普段の製作用で大量にストックしているものです。

ニチコンFGについて今更説明すると、いわゆるニチコンのオーディオ向け電解コンの中で最も流通しており入手性の良いものです。秋月電子などで安価で売られているのでファーストチョイスがこのコンデンサという人も多いかと思いますが、音は結構クセがあります。具体的にはゆるやかなドンシャリというイメージで、中低域がやや膨らみつつもつるっとした高域が出る感じです。上位品のKZとなってくるともっと高域が綺麗に伸びますが、FGは中高域からゆるやかに伸びるイメージで、漠然と音が太くなる印象。逆に言うと抜けはあまり良くないので、明瞭さを出したいときには不向きでしょうか。

ヒアリング・チェック用の治具にリキャップしたBA283をセットし…ラインアンプとしてまず音を聴いてみます。これがなかなか悪くありません。アウトトランスをバイパスして聴くと意外とBA283はあっさり目の音がするのですが、適度に中低域が足されて密度も出ている気がします。むしろ標準で使っていたフィリップスのほうがナローに感じました。

定番や標準品にとらわれず、いろいろな部品の組み合わせを試してみたほうが良いと考えさせられる良い機会になりましたので、オーディオ向けだけではなく標準品でも試行錯誤してみようと思いました。ELNAや東信などもまだ試してないので…まずはBA283Pを使ってテストしてみるのもアリですね。


2018年5月28日月曜日

基板頒布の一覧



頒布中のDIY向け基板一覧です。原則PCBのみになります。
モジュールとしての完成品が欲しい方は別途問い合わせてください。
(回路図とマニュアルはすべての基板に付属します)

基板のみの場合は基本定形外郵便で発送しています。(¥120〜)
厚みのある部品も同梱する場合はレターパック(¥360 or ¥510)になります。

2018年5月4日金曜日

新製品のお知らせ(予約受付を延長中)

TFDI-02

新製品 TFDI-02 All Discrete&Transformer D.Iを発表いたします。

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TFDI-02はFloatia Designsがプロオーディオで培った技術を集約して製作された、ひとつの完成形となるダイレクトボックス&プリアンプです。

ディスクリートオペアンプを2基内蔵

音声回路はICを使わずすべてディスクリート半導体を使ったオールディスクリートによるデザインです。今回このTFDI-02の為に専用のJ-FET入力のディスクリートオペアンプ(DOA)を開発し、それをプリアンプ&ラインドライバーとして2基搭載しています。高インピーダンスに最適なペアマッチドのJ-FETバッファはギター・ベースなどの特性をストレートに表現しつつ、ディスクリートならではの肉厚なサウンドが得られます。

アウトプットレベルとは別にプリ・ゲインも可変になっているので、ゲインポジションによる音色の変化も選択できます。電源はSapphireと同じ専用の+24V電源を使い、十分なヘッドルームを持っています。そして非常にローノイズです。

D.I出力は電子バランスではなくオーソドックスなトランスバランスです。サウンドの肝であるトランスはカスタムコア持つ基板マウント型のオーディオトランスを採用しました。ローエンドからハイエンドまで帯域のバランスが良く、またトランスを通過した倍音感も適度に付加させられるものをチョイスしています。

また最大の特徴はアンバランスアウト(スプリット)信号はスルーアウトではなくプリアンプアウトという仕様になっています。プリアンプアウトはTFDI-02を通過したローインピーダンス出力ですので、TFDIをプリアンプとしても使うことが可能です。ライブ・レコーディングなどでライン録音にはD.I出力を使い、アンバランスをアンプなどへ…というシチュエーションの場合でも、両方の出力でTFDI-02の音色を得ることができます。

TFDI-02は、フラッグシップのマイクアンプやスタジオアウトボードと同じグレードを提供します。

Price : ¥46,000 (tax included)

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5/30まで初回ロットの注文を受付いたします。(初回ロット10台・納期6月2週目頃)
受付再開しました!!
スポット生産になりますので、次回以降はまだオーダー待ちが一定数になってからの製作になるので時間をいただきます。問い合わせはcontactよりお願いいたします。


2018年4月17日火曜日

低雑音J-FETの枯渇



2018年現在、オーディオ向け半導体は益々入手が困難になっていますが、中でも初段の増幅回路などに使える低雑音・高利得のディスクリートJ-FETは枯渇が急速に進んでいます。特に古典的なリードタイプの部品は次々にディスコンになり、汎用チップ部品へのシフトが目立つため自作派の人で困っている人は多いと推測できます。

元々リードタイプ(TO-92)のJ-FETは東芝製の2SK30、2SK170が製造中止ながらも2014年中頃までは部品屋で安価で大量に入手することが可能でした。が、秋月電子など大手のショップで取り扱いが終了した後は価格も倍以上へ高騰、入手性も不安定になっています。まとまった数を確保するのが困難となり、最近では隣国からセカンドソースとして偽物も出回っているくらいで、入手難の様相が伺えます。(偽物は同等の性能が出ません)

私がオーディオ用の回路で用いているFETの現状は、以下のような状態です。
全て東芝製です。Nチャネル型のみ。

・2SK30ATM (GR)
低雑音。楽器用バッファーや、作動入力、定電流回路用。
2018年現在は入手がやや困難。価格は一個¥60〜100程度。
サウンドはツルッとしたストレートで締まった音。

・2SK170 (GR, BL)
低雑音・高利得。
バッファーや作動入力に適し、高利得なのでマイクプリアンプやMCアンプにも使える。
2018年現在は入手が困難。価格も1個¥150円前後。
コンプリメンタリの2SJ74は今では更に希少。
サウンドはしなやかさがある豊かな音。

・2SK369 (BL, V)
低雑音・高利得。
2SK170と同じく高利得なのでマイクプリアンプやMCアンプに適している。
IDSSが高いVランクがある。特性のバラツキは多い。
2018年現在は秋月電子通商で購入可能。(購入数制限あり)
サウンドは華やかさもありややにじみ感もある音。


TO-92だと2SK369(V)がまだ店頭購入できますが、既に製造自体は中止されているものですので2,3年後には扱いも恐らく終了すると思われますのでその先はいずれ2SK30や2SK170と同じような流れになると思われます。

現行品として表面実装用のチップ型パッケージとして入手なものは以下になります。

・2SK209 (GR,BL)
低雑音・高利得。
Yfsが高く2SK30や170の代替になりそうなチップFET。
中身は2SK117の同等品とのこと。

・2SK2145 (GR, BL)
低雑音・高利得。デュアルパッケージ
2SK209をデュアルにしたFET。
5本足のパッケージでソースは共通端子となっている。
2本の特性が揃っているため作動入力の初段に最適。

・2SK3320 (GR,BL)
デュアルパッケージ。
2SK2145とほぼ同じ性能を持つデュアルFET。
パッケージが更に小さいSC70になっている。


 上記以外にも海外製なども探せば他の選択もありそうですが、同じ東芝でピックアップしてみました。低雑音&高利得のシングル、デュアルが両方とも入手できるのが救いでしょうか。特に2SK2145(2SK3320)は貴重なデュアルパッケージで、デュアルFETの2SK389が入手困難になった現在では貴重な選択肢です。幾つか計測してみると特性のズレも少なくオフセット調整しなくても使える範囲におさまっています。個人的にチップ半導体の音質には懐疑的だったのですが、2SK2145に関しては非常に良好でした。2SK170に似た少しソフトな面もありつつ帯域のバランスが良いと感じたので。

ただし全て表面実装用のパッケージですので、専用のPCBを作るのは必須になっていきます。2.54mmピッチへの変換ソケットは販売されていますが、いちいち使うのも手間ですので、一度試作した後は自分の使う回路でPCBを設計してしまったほうがいいと思います。

マスタリング用アウトボード(Avalon、GMLなど)や、ハイエンドオーディオ(Violaなど)もアンプの出力段以外は全部表面実装、ということも最近は普通になってきているようですので、リード部品からチップ部品へのシフトというのは覚悟しながら物づくりをしていかざるを得ないのかもしれません。

2018年4月16日月曜日

4月のお知らせ

最近更新があまりできませんでした…が近況をざっくり。

新製品はオールディスクリートのD.Iを予定しています。
開発や研究には1年近く要して、小型化をさせつつ高音質を実現しています。内容的に言うとまずJ-FET入力のディスクリートオペアンプをこのD.Iのために開発しました。サウンドも今までSapphireなどで使ってきたメタル缶FETよりも上をいくと思います。今は様々なプレイヤーにチェックして頂いている最中です。この話はまた製品の概要がしっかりと決まってから書いていきたいと思います。

以前から書いていた通り、基板頒布のラインナップが増えました。
HPA-02は在庫限りですが、いまは以下の3枚があります。

BA283P PreampBoard  ¥2,830
言わずもがなNeve BA283のクローンです。



・2520-2  ¥3,240
API2520規格のディスクリートオペアンプがステレオでプリアンプ化できる基板です。



・BLOT-01  ¥1,080
アンバランス出力を+4dBuバランス出力へ変換する変換基板。



プロオーディオ向けがメインですので、自作派の人の強い味方になると思います。特に2520-2とBLOT-01は組み合わせればバランス出力のプリアンプになりますし、トランスさえあればマイクプリアンプにも応用できますしね。マイクインプット(電子バランス)の基板も追加予定です。

今後はこういった基板やキットの頒布が増えていくと思います。うちで完成品まで作ってしまうと、やはり¥50,000以下だとなかなか製品として成立しづらいというのがあります。なのでアイデア的な提供というか自作の面白さも体験しつつアフォーダブルなコストで色々と提供をしていこうと考えていますので、是非ともよろしくお願いいたします。

2018年3月17日土曜日

基板頒布その1 BA283P

決算まわりの経理などをやっていたらバタバタしていました……。
そして新しい基板を頒布を始めます。ひとつ目はBA283Pという恐らく国内唯一のNeve BA283のクローンアンプカードです。

Floatia Designs BA283P


詳細は個別のページにも書きましたが、回路そのものはNeveのBA283AVを再現しつつ幾つか改良している部分があります。見て明らかに分かるのは、カードコネクタ方式ではなく直接PCBにワイヤリングするスタイルになっていることです。これにより実装が楽になりました。もちろんカードコネクタだとBA283だけをチェックするときや差し替えは便利なのですが、その度にコネクタが必要であったり後述の外付け部品は別途実装になければいけなかったのでかえって面倒なことが多かったので。ピン配も基板上に書いてあるのでいちいち覚えなくていいですしね。

部品を実装した完成例


BA283の基本的な使い方ではアンプへの電源供給ラインに個別のデカップリング・コンデンサと抵抗、フィードバック抵抗が必要になるのですがBA283Pはそれらも全て基板上で実装できるようになっています。BA283より一回りサイズが大きくなっているのはそのためです。

また原則的にコンデンサ類に関しては品種の指定がありますが、指定部品以外も実装できるような工夫もされています。例えば位相補償のポリスチレンフィルムコンデンサが入手できない場合、5.08mmピッチの別種フィルムコンデンサも実装できる…といった具合にです。

このBA283Pを作れる程度のスキルがあれば、もうわざわざ高いお金を出して海外のNeveクローンを買う必要なんてないかもしれません。これにマイクトランスとアウトプットトランスさえ繋げばいわゆるNeve1272タイプのマイクプリは作れますから。

基本的にPCBのみ、もしくはPCB+半導体のセットで販売します。基本価格は1枚¥2,830です。(遊び心の価格設定)完成品が欲しい方は別途お問い合わせください。

2018年3月8日木曜日

5石のディスクリートオペアンプ

simply DOA


Quad EightのAM4やUREIのDOAなどでも使われているディスクリートオペアンプの回路です。使うトランジスタが5個だけなので5石アンプとも呼ばれます。その中でも最もシンプルな回路です。(図の半導体は適当な国産半導体に置き換えてます。オリジナル準拠ではありません)


2018年3月2日金曜日

Landscape SWB-Master プリアンプ交換

今回はかなりイレギュラーな作業なのですが、お客さんのエレクトリックアップライトベース(EUB)の内蔵プリアンプを交換、及びセットアップをしました。うち、楽器屋さんとかリペアショップじゃないんですけどね…。

モノはこちらのLandscape SWB-Masterという楽器です。



見た目やスペックを見る通り、オール単板ボディに黒檀の指板、ボディもフルアコに近いホロウボディ、コントラバス用のアコースティックPUもはじめから付属ということでEUBとしてはかなり凝ったものになります。しかしそのスペックに反してかなり出音には不満がある…ということでの相談でした。

さっそくうちの作業部屋に楽器を持ち込んでいただき、現状のサウンドチェックを含めて私のほうでも触ってみたところ、以下の問題点がありました。

・とにかく音が小さい
・それ故にs/nが悪く、ジーというノイズが常に出ている
・内蔵プリアンプのEQが使いづらい
・太い弦を強く弾くとピークで音が歪んでしまう

こんな感じです。ちょっと…というよりは全体的にだいぶ問題がありますよね? 特に最初のs/nが悪いというのが特に致命的で、元々s/nが悪いうえに出力がかなり小さいので、そのぶん後続のアンプやDIでゲインを上げてやらないとバランスが取れないのですが、そうすると余計にノイズまで増幅されて大きくなってしまい…という一番悪い状態です。

強く弾くと音が歪んでしまうというのは、コチラのyoutubeに上がっている動画が分かりやすいと思います。


4弦を強く弾いたときにブオッ!というか少し歪んでしまっているのが分かるでしょうか。実際にこんな感じなのです。プリアンプの設計上の問題なのかヘッドルームが狭すぎるようですね。

さて文句ばかりも言っていられないので、改善策を考えましょう。上記の問題を全て改善するには電気的な部分を全てに手を入れる必要があります。作業前にネットで検索をしてみますと、同じ悩みを抱えた人がプリアンプ基板の部品を交換することで音質の改善を図ったという例が出てきましたがお茶を濁す感じの対処法ではなく、やはりプリアンプ本体を完全に一新し根本的に電装系をやり直すということにしました。

ちなみにオリジナルのプリアンプ基板はこのようなものです。




ざっくり解析したところ、まず2種類のピックアップがJ-FETのバッファーを通ったあとにブレンド回路で信号をmix、オペアンプを使ったBAX型EQ回路を通過して出力、といったもののようです。コンデンサもWIMAのMKS2(赤いもの)などが使われていますしそれなりに気合の入った設計のようにも見えるのですが、音のほうはお察しの通りです。どうしてこうなってしまったのか…。これはこのまま外してしまいますが、電源や出力の配線は流用しますのでしっかりメモしておきます。

新しくプリアンプはSapphire OnboardPreampをベースに初段バッファーの石や定数を変更したものです。実はこのプリアンプ、基板はそのままで部品を数点変更するとエレキベースだけではなく様々なソースに対応できるように作られているんですね。(こういう所まで考えています)そして元々マグネットPUは使い所がなかなか無いということで、ラインからは外してしまいフィッシュマンのピエゾPUオンリーで出力するということに。余分なmix回路や抵抗も省けますので、音質アップも期待できそうです。



コントロール部分は元々ブレンダー、ボリューム、ベースEQ、トレブルEQという4つのツマミを使うレイアウトでしたが、ブレンダーは不要になったので端に追いやってダミーとし、ボリュームに2バンドEQというシンプルなコントロールに変更しました!(見た目は変わってないですね)

さて、全ての配線を直して楽器内部に収め直します。その出音は……??


・・・・・

……ノイズが全くと言っていいほど無くなりました!
これは大成功です!!

さらに音質もピエゾとは思えないほど豊かで肉厚になり、生々しい音色に。

Sapphire OBPの特性からしてs/nが大改善するのは想定の範囲内でしたが、音色も飛躍的に良くなったのは予想外でした。これは良い予想外です。個人的にピエゾタイプのピックアップは音の輪郭を拾うのは得意でも圧感素子の特性上、細くてカリカリした音色になることが多くさして期待はしていなかったのですが、肉厚な音色でしっかりと弦鳴りとローの太さが両立しています。恐らくPUのすぐ近くで高品質なバッファーでローインピーダンス化したことによって今までロスしていた部分もしっかりと再生されるようになった…からではないかと思います。結果的にかなりアコースティックな音色になりました。

輸入代理店さん、新規設計する際にはうちのプリアンプを是非採用してくれないかな……と思いつつ今回の作業は終了です。他社製のアップライトベースに組み込みもOKですよ!

2018年2月24日土曜日

オンボードプリアンプ続報

アップデートされたSapphire Onboard Preamp、色々な方にインプレッションして頂いています。



山本詠 氏のF Bass BN-5や…



武田元気 氏のKSD5弦などなど…。

どちらも元々パッシブ・アクティブ切り替えできるタイプの楽器でしたので、よりプリアンプをonにしたときの音の変化などをジャッジして頂ける環境でした。いわゆるオンオフでの変化というよりも、アクティブ時はパッシブの音を基本にEQで足したい帯域を足せる…というコンセプトですので、元々パッシブ派の方にも好評ですね。

こちらのおふた方は当方に直接楽器をお持ち込みして頂き、プリアンプの組み込み作業を行いました。作業時間は1時間程度でしょうか。こういったことも可能です。もちろんプリアンプ単品でも販売していますから、ご自身で組み込んで頂いたり楽器店などに組み込み依頼されるのもよいと思います。

2018年2月21日水曜日

Acoustic model220の修理

Acoustic model220 ベースアンプの修理及びレストアです。
Acoustic Control Corporation社は60年代当時から主流のチューブアンプではなく、ハイパワー重視のソリッドステートアンプを製作していたメーカーです。今となってはヴィンテージアンプの部類ですが、ジャコ・パストリアスの使用で有名だと思います。(Acousticブランドは現在も現存しますが、会社としては別企業で製造されているモデルも全く別物です)model220は全段オールディスクリート時代のもので、4Ωで200W出せるモデルです。この上の320というモデルだと4Ωで300W、更にプリアンプが2ch搭載という当時としては最上位機種になります。ジャコが使用していたモデルもこちらですね。各モデルは最大出力の違いでドライブ電圧が違いますが、プリアンプ部分は概ね同じ回路です。

今回はジャンク同然の個体を復活させるところまでを紹介します。

いわゆるジャンク状態。そして汚い!

まず、見た目がボロボロで筐体も破損がひどく、現状としては電源が入らないような状態です。パワーアンプのヒューズが切れている場合もありますが、今回は問題なし…となると、やはり電源回路周りが壊れているようです。チェックしていくと、恐らく強い衝撃を与えたせいか内部のAC配線が切断、更に電源回路のパーツが破損していました。回路図を見ながら、テスターを当てていき部品をひとつずつ交換していきます。一通り交換を終えてから再度通電すると……LEDが灯り電源が無事に入りました。

電源が復活!

ひとまず電源が入るようになったので、筐体やアンプ内部のクリーニングに入ります。

左側が汚れたままの部分、右側がクリーニング後です

とにかく酷いのがタバコのヤニ!フロントパネルは完全に変色しています。タバコのヤニで特に厄介なのが埃と合体してネバネバ状の臭い物体に変化することです。これが機材の内部に入り込むと、スイッチの接点不良や回路をショートさせたりする直接の原因になったりします。古いスタジオの卓をメンテで開けてみたらそのネバネバだらけだった…なんてこともしばしば。機材や楽器に対しては百害あって一理なしですので音楽やっている人はほんとタバコはやめましょう…。

パネルは無水エタノールや金属磨き剤を使って、丁寧に磨き上げていきます。そうすると段々とヤニ汚れの下から元々の色味が出てきました。水色のストライプの部分がわかりますか?これが元々の色味です。左側はまだ磨いていないヤニまみれの部分。いかにすごい汚れかがわかりますね。(VintageKingだと毎日こういう作業をやっているそうです)フォーンジャックなども同じく金属磨きで磨いていきます。フロントの入力ジャックはかなりやれていたので、今回は新品のジャックに交換しました。ここは消耗品ですからね。きちんと動作するほうが大事です。

ついでにヤニと埃だらけの基板も綿棒と無水エタノールで掃除を……この作業中もものすごく臭ってきます……(^ ^;

おおまかに綺麗になったところで今度は音声部分も含めてチェック……プリアンプ・パワーアンプ共に音は出るようです。しかし、部品の老朽化や先のヤニと埃で多くの部品がくたびれている状態ですので、電解コンデンサ含め摩耗が激しい部分はすべて交換していきます。いわゆるリキャップ作業に入りましょう。

コンデンサ交換前

コンデンサ交換後

こちらはプリアンプ基板ですね。全ての電解コンデンサを交換します。ボリュームのガリが少し気になりますが……接点を清掃する程度にとどめてこのまま使うことにしました。コンデンサを交換するときはパターンを痛めないように半田バキュームを使います。ついでに将来的にクラックが起きそうな部分(基板付けスイッチやボリュームの付け根など)は半田を盛り直しておくとのちのちのトラブルが防げます。

あ、ちなみに背面パネルに取り付けられた黒い缶のような部品がありますね。実はこれDI出力用のトランスです。この220は下位機種の120と違ってバランス出力も付いているんですね。恐らく自社製のトランスだと思いますが、今となってはこういう回路のためにオリジナルのトランスを使うことはほぼ無いので貴重かもしれません。

変わった形の放熱器

もちろんパワーアンプ部分もリキャップします!(リキャップ後は写真撮り忘れました…)ドライバ段のトランジスタに何かすごい形の放熱器が付いていました。この形は初めて見た気がします…非常にいかついです。

取り外したコンデンサ

取り外した電解コンです。長年の劣化と熱で一部黒くくすんでいるのが分かるでしょうか。容量抜けや破損する前に交換するのが吉ですね。40年近く交換されていないものですので。

アメリカン電機の電源プラグ(新品)へ交換

リキャップを終えたあとですが、電源プラグがボロボロなうえにお粗末な民生用のものが使われていたので、堅牢なアメリカン電機の3Pプラグへ交換しました。Panasonicの定番WF5013Kも悪くないですが、それより更に価格がアフォーダブルで端子が非メッキなのが良いですね。

そして一通り作業が終わったので再度電源を入れ、問題ないことを確認。通電したまま1日ほど放置し、通電し続けた状態でも問題ないことを確認します。更にこの間に破損していたフレームの一部をパテで補修しました。(左上の部分)

すべての作業が終わり、無事復活

最後に実際にベースを繋いで音声系をチェックします。プリアンプ、パワーアンプ共に正常に動くことを確認しました。これで完全復活と言ってもでしょう!

古いアンプですが、きちんとメンテ&清掃をした状態で使っていけば、まだ向こう10年20年と使える名機ですので、もし燻らせている…という方が居ましたらご用命ください。費用はリキャップ及び清掃が¥40,000〜です。

(その後)


フレットレスベース・プレイヤーの織原さんにお買上げ頂きました!

2018年2月14日水曜日

設計中のもの

現在基板を設計中のものです。最近は手よりも頭を使っています。

・BA283互換プリアンプ基板

文字通りNeve BA283と同等の回路をもつ基板です。
ソケット無しで直接基板からワイアードできるようになり、キットでの販売も考えています。
トランスさえあればすぐにマイクプリ化が可能です。

・API2520評価基板

API2520と互換性のあるディスクリートオペアンプをテストできる基板です。
前後にトランスを繋げばそのままマイクプリにも。

・バランス出力回路基板

アンバランス信号を+4dbu/600Ω対応のバランス信号で出力する回路です。
ステレオ対応。上記の2枚とも組み合わせられる予定です。

↑この3枚は来月中には完成予定です。
これからは完成品だけでなく基板の頒布もしていくと思います。

・LED型ディスクリート電源基板

定電圧回路にツェナーやスイッチングダイオードではなくLEDを採用したレギュレータ基板です。
三端子やオペアンプなしのディスクリート半導体のみを使います。
現段階では試作および研究中ですが、年内に実用化できればいいと考えています。

2018年2月10日土曜日

Neve1272を改良する(ラインレベルも受けられる!)

Neve1272

一般的にNeve1073,1066等の代用HAとして使われることが多いNeve1272ですが、実は大きな問題点があります。実際に使ったことがある方は実感したことがあると思いますが、かなり入力が歪みやすいのです。特にマイク録音に関してはソースがピーキーになりやすいですし、マイク本体が真空管マイクなどになると大元の出力が大きめになりますので、余計に歪みやすくなります。しかも、オリジナルのラッキングものにはPADスイッチが付いていないことも多い…と実際エンジニアさんもお悩みの方が多いはず。今回は、そういった一連のウィークポイントを解決する改造を紹介したいと思います。




そもそも入力が歪みやすい原因を探ると 、1272の構造に問題がありました。元々ラインアンプではあるのですが、入力トランス(10648)を通過したあとにそのままアンプであるBA283へ入力されるようになっています。BA283はご存知の通りシングルアンプで入力初段のエミッタ抵抗値でゲインを調整するようになっているうえ、更に既にトランスの昇圧で+6dbの利得がその前にあります。なのでこの時点で信号が大きくなりすぎます。Neveの動作電圧は+24Vですから元々ヘッドルームも狭いことも相まって、クリップし易かったのです。

つまりこれを改善するにはアンプの初段の手前で信号をある程度トリムする必要性があります。ここで入力を調整しつつ後ろのアンプである程度信号をゲインアップできれば、Neveの音色を活かした音作りも可能になりますね。そこでこのように配線をし直しましょう。

Neve 1272 改造図

追加で必要な部品は5kAカーブのボリュームと240Ω、22Ωの抵抗、あとはトグルスイッチです。
(プッシュプルスイッチ付きボリュームでも可)
入力トランスの負荷抵抗は不要なので外してしまいましょう。

見ての通り、入力トランスの直後に5kAのボリュームで信号をトリムするようになっています。ここで信号を可変で絞ることにより、かなり大きな信号でも歪みづらくなり融通が効くようになります。またフロントアンプのゲイン調整用抵抗(240Ω)は固定にしていますが、ここをトグルスイッチで22Ωに切り替えることにより、ゲインが+18dbとなりますのでトータルゲインは今まで通りトランスの昇圧分を含めて60db近く稼ぐことができます。(リアアンプのゲインを調整する端子“K”はオープンでゲイン固定しています)入力インピーダンスは1.2kΩとなります。

増幅前の信号をボリュームに通して音質的にいいの?と思う人もいると思いますが、ひとまずお試しください。違和感はほぼないですし、しかもゲインがスムーズに可変できるようになった使いやすさのほうに感動すると思います。特に1つの入力でマイク/ラインレベル両方をこのまま受けることができますから、サミング・アンプとして使う場合は非常に便利です。オススメです。

いわゆる1272タイプのクローンはオリジナルの回路を踏襲しているため、このヘッドルームの狭さ・歪みやすさも継承してしまっているのですが、新しくNeveタイプのプリアンプを製作する場合はこちらの回路で作ったほうが良い結果が得られると思います。PADも不要ですしね。