2018年6月28日木曜日

Neve BA208 AmpCard

BA208

ストックパーツの類を整理していたら、Neve BA208が沢山出てきました。

これもオールドNeveのアンプカードの一種で、コンソール内のスイッチングユニットNeve1948のバッファー的に使われていたアンプです。比較的用途が近いのはBA283AMでしょうか。しかし、BA283とは回路が少し異なります。回路図を見てみましょう。






パッと見だとNeveらしいシングルアンプのようですが、出力段はシングル出力ではなくコンプリメンタリーペアのプッシュプルになっています。つまりこのアンプはAB級です。BA283と比較すると、初段がエミッタ接地なのは同じですがNPNではなくPNPのエミッタ接地になっていますね。2段目はNPNのエミッタ接地、3段目はNPNのエミッタフォロワー……と回路はBA283よりも後期のBA438などに近い気がします。

帰還は初段のエミッタに戻されていますが、利得もこの初段で調整するようになっています。ゲインは最大で20dB程度です。先述の通り主な用途はバッファーですから、こんなものでしょう。ドライブ力は十分にあるので、出力トランスを動かすラインドライバーとして再利用できそうです。



実際にNeve1948ユニットの回路図を見ていくと2枚のBA208が使われていますが、出力側に着目してみてください。出力トランスの部分……本来はマリンエアLO1166が使われる部分にLO2576という別のトランスが採用されています。このLO2576というトランスは形や巻線比は同じですがLO1166のギャップ無しバージョンになります。BA208はプッシュプル出力なので、シングル用の1166とは違いギャップ無しのトランスを採用したようです。


時間があればラインアンプなどに転用してみようと思っていますが、やや面倒なのが適合するカードコネクタが15pinなことです。BA283は18pinなので幾つかストックしていますが、普段15pinは使いませんので取り寄せる必要があります。

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