2017年9月25日月曜日

Neve 1272 Racked by Brent Averill

奥がLO1166/10468 手前がBA283


NeveのノックダウンものではメジャーになりましたNeve1272です。

こちらも元々はコンソールのラインアンプですが、中身はBA283アンプカードにMarinair/St.Ivesの入出力トランス(10468+LO1166)を組み合わせたものです。つまりNeve1073/1066などのチャンネルストリップのヘッドアンプ部分を取り出したものとほぼ同じものになります。(厳密にはゲインアップなどの定数がちょっと違いますが)

元々ライン・アンプであるものをヘッドアンプとして…というのはNeve3415と共通ですね。今回の個体はBrent Averillでラッキングされたものです。

Brent Averill氏は現在はBAEという会社を立ち上げ、Neveクローンを製造・販売していますが、元々はNeveオフィシャルのライセンスを受けて修理や改造をしており、このラッキングされたNeve1272もその時代のものです。


NEVE 1272 と表記されているのでオリジナルモジュールです


モジュールが枯渇した後はBAEでクローンのモジュールを作るようになり、オリジナルのNeveモジュールは使われていません。製造時期はフロントパネルの文字で判別することが可能です。MADE FROM NEVE 1272 MODULEと印字されていれば初期型でNeveオリジナルモジュールが使われている時期です。MADE FROM 1272 MODULEと印字されている時期はリプロダクトされたクローンモジュールです。

Neve1073に代表されるチャンネルストリップ型のモジュールはもうだいぶ昔から高騰しましたので、「ヘッドアンプだけでも同じ音で…」という人が増え、こちらの1272が用いられることが多くなりましたが、いまとなっては代用の1272でさえ枯渇し倍近く高騰。もはや市場にNeveオリジナルモジュールが出てくることも少なくなりました。

2017年6月7日水曜日

臼井ミトン氏のレコーディング in USA

臼井ミトン氏が先月末からアメリカに渡り、レコーディングをした様子がブログにまとめられています。


にしても、すごいミュージシャンの顔ぶれですね。前作でも参加しているウィル・リーをはじめリック・マロッタ、デヴィッド・スピノザとレジェンド級のミュージシャンと一緒にベーシック・トラックをレコーディングされたとのこと!そしてそのRecにうちでラッキングした機材も使って頂きましたよ。感無量ですね。

今後は日本で他のトラックのダビングやmix作業をすすめていくとのこと。完成が楽しみですね。

2017年5月18日木曜日

Quad Eight MP404 Traveler

非常にコンパクトになりました

QuadEightのMP404モジュールを持ち運び易いモバイル・ケースにノックダウンしました。

MP404モジュールについてはコチラを参考にして頂くとして。

オーナーの臼井ミトン氏の「海外や遠征先でも大荷物にならないで気軽に運べる状態にしたい。そしてなるべく小さく&軽く」という要望により2Uの大型ケースからMP404を新しい筐体へ移植することとなりました。旅先にに持っていける“トラベラー”仕様をご所望とのこと。

まず本体を小さくするので、電源は外部PSUから供給する方式に。PSU自体もスイッチング電源を使ってなるべく軽量化を図りました。

一番厄介だったのが、このMP404本体は出力がアンバランスなので、出力をバランスにするにはライントランスをかます必要性があります。いままでは容量に余裕のある2Uケースだったので中に大型のライントランスが余裕で入っていたのですが…。


しかし、トランスという部品はサイズも大きいうえに4つも取り付けなければいけません。あまり奥行きを増やすと今度は筐体を小さくした意味が薄れてしまう…。なのでEdcorの一番小さいサイズのトランスを横向きに4chぶん並べることに。結局ギリギリで収まりました。(本当にギリギリ!)



モバイルケースなのでサイドにはバンドの取っ手もついており、持ち運びやすくなりました。
この大きさの4chディスクリートマイクプリって、たぶん世間にはないと思います。
月末からアメリカで活躍されるようです!

2017年3月30日木曜日

2種類のBA283?

うちではNeveの心臓部として取り扱うことの多いNeve BA283ですが、実は厳密には2つのバージョンがあるのをご存知でしょうか。

最近お問い合わせの多いBA283…?

例えばこれ……基板の右側はブランクになっていますね。一見ただの未実装の基板ですが左側にはモトローラのパワートランジスタ2N3055をはじめ部品がしっかり実装されています。

そもそもBA283はプリアンプと出力アンプが2回路含まれているものです。その半分だけ実装されているということは……そう、これは出力アンプのみが実装されたBA283なんです。型番はBA283AMといいます。

このAMという型番はソケットの端子番号に由来します。BA283の一番最初の端子はAから始まり、終わりがVなのです。AからMまで実装済みのタイプなのでBA283AM。つまり全ての部品がフル実装されているものはBA283AVとなります。

AMのバージョンはいわゆるトランス出力を追加する部分に使われていたようです。もちろんこのブランク部分に部品を実装していけばそのままAVバージョンと同じものになります。(AMバージョンでもゲインは18db程度あるので、ちょっとしたプリアンプを作ることはできますけどね)

うちではFDNV-02をはじめBA283を使った製品も製作しております。是非!

2017年2月22日水曜日

クローン機材の落とし穴?


プロオーディオの世界でも、古くから誰しもが認める名機と謳われる機材がいくつもあります。
いわゆるヴィンテージ機材と呼ばれるものです。