奥がLO1166/10468 手前がBA283 |
NeveのノックダウンものではメジャーになりましたNeve1272です。
こちらも元々はコンソールのラインアンプですが、中身はBA283アンプカードにMarinair/St.Ivesの入出力トランス(10468+LO1166)を組み合わせたものです。つまりNeve1073/1066などのチャンネルストリップのヘッドアンプ部分を取り出したものとほぼ同じものになります。(厳密にはゲインアップなどの定数がちょっと違いますが)
元々ライン・アンプであるものをヘッドアンプとして…というのはNeve3415と共通ですね。今回の個体はBrent Averillでラッキングされたものです。
Brent Averill氏は現在はBAEという会社を立ち上げ、Neveクローンを製造・販売していますが、元々はNeveオフィシャルのライセンスを受けて修理や改造をしており、このラッキングされたNeve1272もその時代のものです。
NEVE 1272 と表記されているのでオリジナルモジュールです |
モジュールが枯渇した後はBAEでクローンのモジュールを作るようになり、オリジナルのNeveモジュールは使われていません。製造時期はフロントパネルの文字で判別することが可能です。MADE FROM NEVE 1272 MODULEと印字されていれば初期型でNeveオリジナルモジュールが使われている時期です。MADE FROM 1272 MODULEと印字されている時期はリプロダクトされたクローンモジュールです。
Neve1073に代表されるチャンネルストリップ型のモジュールはもうだいぶ昔から高騰しましたので、「ヘッドアンプだけでも同じ音で…」という人が増え、こちらの1272が用いられることが多くなりましたが、いまとなっては代用の1272でさえ枯渇し倍近く高騰。もはや市場にNeveオリジナルモジュールが出てくることも少なくなりました。
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